石井さんのトマトハウスの扉は別世界への入り口。
そこにはゴミも草もなく、青々としたトマトの苗がビシッとならび、“凛”とした空気に包まれます。
まるで伊勢神宮に来たかの様なたたずまいが、石井さんのトマトハウスです。
石井さんは、他に類を見ないほど手間暇をかけてトマトを育てています。
まずは種からつくること。
一般的にトマトは接ぎ木苗から育てますが、石井さんは種から育てているのです。
肥料も手づくり。
海藻や米ぬかといった自然なものを主とし、自らつくっています。
さらに驚くのは、生育初期の水やり。
なんとジョウロを使って、それぞれの樹の状態に合わせて水分量を調整しながら水をあげています。
1本ずつ丁寧に向き合って、水や栄養を調整するからこそ、ハウスのトマトが美しく揃った状態に育つのです。「樹を見る目とタイミングが大事。」
まさにすべて自分で行う農業。
そう言って笑う石井さん。「趣味だもん、趣味を人にやらせることはないな。」
好きだからこそ、手間をかけ、お金もかけます。
好きだからこそ、研究や挑戦を惜しみません。
ストレスをかけずに育てる石井さんのトマトは、自然の味がぐっと引き出されています。「毎年つくり方は違うんだよ。毎年進化できるし、もっとできる。トマトのポテンシャルはまだまだあるよ。」
だからこそ、甘み、酸味、コクのバランスが良く、甘いだけではない、奥行きのあるおいしさになるんです。
出荷のタイミングまで妥協がない石井さんのトマト。「トマトの味は甘さだけじゃないよ。みんなが食べて違いが分かるくらいにならないと出したくないんだ。」
ぜひ、違いを体感してください。
畑:愛知県田原市
生産者:石井 和弘
作物:トマト(12月~4月)、メロン(7月~8月)
生産者:石井 和弘
作物:トマト(12月~4月)、メロン(7月~8月)