今回は、秋の味覚!やさしい甘味で魅了する【サツマイモ】のご紹介です。
サツマイモは、天ぷらや煮物など料理に用いられるのはもちろんのこと、スイートポテトや大学イモといった、スイーツにも多く使われる、子供から大人まで幅広い年代から好まれる食材の一つですよね。
サツマイモと言っても、現在日本で栽培されている品種は40~60種類ほどあると言われています。その中には、生食用の他に、焼酎などのお酒の原料用、でんぷん原料用として栽培されている品種もあります。
生食用のサツマイモの中には、断面が黄色いものが一般的ですが、オレンジ色や紫色、白色といった、カラフルな品種も多く存在しています※1。
【紫色の品種】
「紫芋」「アヤムラサキ」「パープルスイートロード」「ふくむらさき」
⇒鮮やかな紫色が特徴で、「アヤムラサキ」は当初色素を抽出する為に栽培されていました。
目の疲労感を軽減する機能を持つアントシアニンが豊富に含まれています。
【オレンジ色の品種】
「安納芋」「ベニハヤト」「アヤコマチ」「ハロウィンスウィート」
⇒ねっとりとした品種が多く、鮮やかなオレンジ色にはβカロテンが多く含まれています。
他にも「ジェイレッド」と言われる品種があり、絞り出した果汁が変色しにくいため、ジュース用の加工原料として用いられています。
【白色の品種】
「コガネセンガン」「シロユタカ」「こなみずき」
⇒あまり馴染はありませんが、「コガネセンガン」は品種別の作付面積では、全国トップなのです※2。でんぷんの含有量が多く、酒類(焼酎、ビール、ワインなど)の加工用原料として多く用いられています。
このように、色別で特色があるサツマイモですが、データで見るとどのような傾向が見られるでしょうか。そこで今回も比べてみました※3。色別(黄色、オレンジ、紫、白)でBrix糖度、抗酸化力《植物ストレス耐性力》、ビタミンC含量の3項目を比較しました。
まず、加工品として使用されるサツマイモ白を見てみましょう。糖度、ビタミンC含量は他の三種に比べやや低いですが、抗酸化力はサツマイモ黄色、オレンジと同等で劣らない結果となりました!
加工品用なので、味に関するBrix糖度が低めであるのに対し、抗酸化力は普段食べている黄色やオレンジと同じというのは嬉しいポイントですよね。
次に他の三種、サツマイモ黄色、オレンジ、紫を見ていきましょう。
Brix糖度は、3種とも同等の値となりました。甘さに差がほとんどないというのは意外に思われる方も多いのではないでしょうか。
抗酸化力については、サツマイモ黄色、オレンジが同等なのに比べ、サツマイモ紫は約5~6倍と圧倒的に高い値となりました。紫色のサツマイモにはアントシアニンのポリフェノールが多く含まれているため、その影響により数値が高く出ていることが分かってきました。
ビタミンC含量に関しては、サツマイモ黄色、オレンジが同等に対して、サツマイモ紫は1~2割ほど高い結果となりました。サツマイモはビタミンCが豊富な野菜ですが、品種間ではあまり差が無いことが分かりました!
このように、色別で特徴を探ってみると新しい発見があり、興味深いですね!これから旬を迎えるサツマイモで、ぜひ食卓を彩ってみてはいかがでしょうか!
参照
※1 サツマイモ「こんなにいろいろあるんだ!」(https://www.maff.go.jp/j/agri_school/a_tanken/satu/03.html)
※2 サツマイモの品種はどれくらいあるのですか。(農研機構 https://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0312/01.html)
※3 旬の食材百貨、サツマイモ(甘藷)のタイプ別37品種の一覧 より分類したものの平均値となります。(https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/vegitable/satumaimo-varie.htm)