日を追うごとに日の入りが早くなり、涼しさも相まって、秋の訪れを感じることが増えてきました。過ごしやすい季節になりますが、冬の本格的な寒さに向けて、早めの準備をしていきたいですね!
皆さんは、「野菜」と聞くと、トマトやキュウリといった、夏が旬の色鮮やかな野菜を思い浮かべる方が多いと思います。
一方で、秋冬の涼しい季節では、根菜類やイモ類、キノコ類など、色味より食感や香りに特徴がある野菜が、多いイメージがありませんか。実は、秋以降に旬を迎える野菜の中にも、鮮やかな「色」が特徴的な野菜もあるのです!
例えば、甘い香りとホクホク感が楽しめる「サツマイモ」、秋物は皮が薄く水分も多く含み、夏物とは違う魅力を持つ「秋ナス」、ねっとりとした食感が特徴の「紫芋」などがあげられます。これらに共通しているのは、色鮮やかな「紫色」なのです!
紫色の中でも、今回は「アントシアニン」という色素に注目していきます。
アントシアニンと一言で言っても、化学構造の違いによって、赤みを帯びた紫色から、黒っぽく見える紫色まで、さまざまな色を呈する色素になります。アントシアニンは、pHの強弱によって、呈する色が変化する、という特徴を持っています。
強い酸性の環境にさらされると、紫色から赤色に大きく変化します。一方で、弱酸性・中性に近い環境下になると、紫色から青色へと変化します。
皆さんも、紫色のお野菜に、お酢やレモン汁などをかけたとき、綺麗な赤色に変化する様子を見たことがあるのではないでしょうか。これらの特徴を確認するために、紫キャベツの煮汁に、様々なpHの液体を加えて、色の変化を見比べてみました!
写真のように、ご家庭など身近にあるものを使っても、アントシアニンの特徴をしっかりと表現することができました。こうして実験して見てみると、ただ茹でるのか、または酢漬けにするのかによってアントシアニンの色が変わってくるということがわかりましたね!
アントシアニンには、生活習慣病である糖尿病や、肥満に対する予防・抑制効果がある、という研究結果も発表されています。※1
季節の変わり目、秋以降もアントシアニンのような「色」を意識した食事を心がけて、体調に気を付けていきましょう。
参照
※1 植物色素アントシアニンのサイエンス-科学、機能と活用-(http://www.mac.or.jp/mail/151001/01.shtml)