実は寒い時期が旬?食感が楽しい【ナガイモ】

皆さん、こんにちは!
11月に入り、朝晩の冷え込みが一段と厳しくなってきました。空気の乾燥も気になる季節になり、お肌の保湿管理に一層気を配らなくてはいけません。栄養満点のお野菜を食べて、体の内側から健康を整えていきましょう!

冬場になると、イモ類の多くが旬を迎えます。今回はイモ類の中でも、粘りが特徴の「ナガイモ」に注目していきます!

ナガイモは、すりおろしにした状態の「とろろ」など、年中食べることができるお野菜になっています。

日本国内での主要産地では、これから迎える冬場に収穫の最盛期を迎えるところが多いのですが、貯蔵性が高いため土の中で越冬させて、翌年の春に収穫する「春堀り」と併用することで、年間を通して供給することが可能になっています。※1

ナガイモに似たもので「自然薯(じねんじょ)」がありますが、植物学上(系統分類)では別の種(しゅ)に分けられます。

一方で、野菜の分類の中では、「ヤマノイモ類」として一括りにされていることが多いです。実際に野菜の分類の中では、どのようにグループ分けをされているか、簡単に表してみました。※1
「ヤマノイモ類」のグループ分け 【自然薯】
・ヤマノイモ類の中でも、日本が原産のものを呼ぶ(山野に自生している)。
・1~1.5mと細長いのが特徴で、食感も粘りが強く、豊かな風味が楽しめる。

【ナガイモ、イチョウイモ、ヤマトイモ】
・ヤマノイモ類の中でも、ナガイモと共に中国原産の「山芋」に分類される。
・ナガイモは円筒型、イチョウイモは扁平型のものが多く、ヤマトイモは球型のものが多い。
・ナガイモは水分が多くサクサクとした食感が楽しめる。ヤマトイモは「ツクネイモ」とも呼ばれ、最も粘りが強く練り物のつなぎなどにも使われている。

このように、原産国を基準としたグループ分けがなされていました。形や食感にもそれぞれの特徴があるので、違いを楽しんでみるのも面白いかもしれませんね!

さて、外観や食感に違いがあることが分かりましたが、成分ではどういった違いがあるか、ナガイモ、ヤマトイモ、自然薯の3種類でBrix糖度と抗酸化力(植物ストレス耐性力)の数値を比較してみました。
ナガイモ、ヤマトイモ、ジネンジョのBrix糖度、抗酸化力を比較してみました 比較してみると、Brix糖度は粘り気の強いヤマトイモ、ジネンジョがナガイモに比べて高い傾向にありました。抗酸化力(植物耐性力)については、ヤマトイモが最も高い数値を示していました。

ヤマノイモ類の粘り成分は、たんぱく質のマンナン(食物繊維の一つ)が結合した粘質糖たんぱく質になります。※2

これからの旬である馴染みあるナガイモの他にも、ヤマトイモを使った栄養素満点の食事を試してみてはいかがでしょうか!

参照
※1 ヤマノイモの需給動向(https://www.alic.go.jp/content/000143875.pdf)(https://www.alic.go.jp/content/001182079.pdf)
※2 日本食品保蔵科学会誌 VOL.29 NO.4 2003