年末年始は気温が下がらず、天候は不安定な場所が多くなりました。すでに働かれている方も、これから仕事始めという方もいらっしゃるかと思います。お正月の余韻に浸りすぎないように、規則正しい生活を心がけていきましょう!
今回は、お正月にちなんで、おせち料理でよく見られる【エビイモ】のご紹介です!
エビイモはサトイモの仲間である「とうのいも」を「土寄せ」という栽培方法によって、湾曲した形と皮の縞模様が「エビ」に似ていることから、そのように呼ばれるようになりました(※1)。
また、エビイモは「京芋」とも呼ばれ、京野菜の1つで「芋棒」という京料理で親しまれている根菜なのです。エビイモは、ホクホクとした食感としっかりとした風味、優しい甘味が特徴です。荷崩れしにくいので、煮物などに最適な食材です。
サトイモ科の芋は、種芋から出てきた目の部分にあたる「親芋」と、親芋から出てくる腋芽にあたる子芋と孫芋、葉柄と呼ばれる部分があります。どの部位を食べるかによって4種類(グループ)に分類することができます。(※1)。
【子芋と孫芋を食べるグループ】
・「石川早生(いしかわわせ)」や「土垂(どだれ)」といった、市場に良く出回るサトイモはこのグループに属する。
【親芋と子芋を食べるグループ】
・エビイモはこのグループに属する。
・他にも、親芋と子芋が分かれずに塊状になる「八つ頭」、親芋と子芋の食感の違いが楽しめる「セレベス」という品種がある。
【親芋を食べるグループ】
・「たけのこいも」という大型の品種が属する。半分以上が地上に出ている様子から、たけのこに似ていることで、このように呼ばれるようになった。
【葉柄を食べるグループ】
・「ズイキ」と呼ばれる品種は、芋の部分が小さく硬いため、食用に向いていないので、茎の部分を食べる。
このように、サトイモといっても様々な品種があることがわかったかと思います!
では、品種間による栄養価の差はあるのでしょうか?
そこで今回はテーマである「エビイモ」をはじめ、「石川早生」、「土垂」、「セレベス」、「八つ頭」、「たけのこいも」の全6種類のBrix糖度と抗酸化力(植物ストレス耐性力)を比べてみました。
先ほどのグループに分けて【子芋と孫芋を食べるグループ】の「石川早生」、「土垂」は赤色、【親芋と子芋を食べるグループ】の「エビイモ」と「セレベス」、「八つ頭」はオレンジ色、【親芋を食べるグループ】の「たけのこいも」を緑色のグラフにしてみました!
Brix糖度は棒グラフが緑色の親芋を食べる「たけのこいも」、オレンジ色の【親芋と子芋を食べるグループ】、赤色の【子芋と孫芋を食べるグループ】の順で高い傾向にありました。
抗酸化力(植物ストレス耐性力)については「エビイモ」、「たけのこいも」「セレベス」の順に高い値となりました。
サトイモは品種の違いや「親芋・子芋」といった食べる部位によって、ねっとりかホクホクか、食感に違いがあります。その影響もあってか同品種でも数値の個体差が出やすい作物のようです。特に生産者の腕が試される野菜なのかもしれませんね!
この時期によく食べられるサトイモ。ぜひ「エビイモ」など普段は食べる機会の少ないサトイモをチョイスして食感を楽しんでみてはいかがでしょうか。
青果日和では、これからも青果ボックスにはいっている野菜や果物の情報を、データと共にご紹介していきます。
参照
※1 さといもの需給動向(https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/yasai/1101_yasai1.html)