最古の農産物!?世界で親しまれる【そらまめ】

皆さん、こんにちは!
3月から5月にかけては、低気圧の急激な発達による、「春の嵐」や「メイストーム」と呼ばれる台風並みの暴風が発生しやすい季節だそうです。※1

日中の最高気温は20度を超え、初夏の暑さを感じます。この季節は豆類が旬を迎え、スーパーの店頭に多く並んできました。今回は、今まさに旬を迎える【そらまめ】のご紹介です。

『そらまめ』は、「空豆」や「蚕豆」といった漢字が使われることが多いと思います。莢(さや)が天を向いて実ることから「空豆」や「蚕豆」は莢が蚕の繭の形に似ている、蚕が繭を作る時期に美味しくなる食材ということが由来とされています。

地方によってはお多福さんの顔に似ていることから「於多福豆(おたふくまめ)」、豆の大きさが一寸(約3センチメートル)ほどであることから「一寸豆(いっすんまめ)」、その他にも「四月豆」「五月豆」といった地方によってさまざまな別名で親しまれています。

また世界でも「最古の農産物」の1つと言われているだけあり、北アフリカから地中海沿岸、アジアに至るまで広い地域で生産され、食べられています。※2

『そらまめ』は莢から豆を出して塩茹でをする、というのが一般的な調理法ですが、蒸すことでよりふっくらとした食感を楽しむことができます。また、莢のまま焼くことで、莢が蒸し器の役割を果たし、蒸した時のような柔らかさを再現できるそうです。ぜひ試してみてください!

今回、ご紹介している『そらまめ』は中華料理に欠かせない調味料の「豆板醤」の原料ということはご存じでしたでしょうか!『そらまめ』に塩や赤とうがらし、麹などを加え、発酵させることによってできる豆板醤は、ご家庭の中でも大活躍している調味料ですよね。旬の時期が限られる『そらまめ』ですが、調味料という形で年中楽しむことができるのです。

では栄養価に関しては、豆類の『そらまめ』はどういった傾向があるでしょうか。
今回は『そらまめ』と普段食卓で食べ慣れている豆類(枝豆、さやえんどう、さやいんげん、スナップエンドウ)をデザイナーフーズ㈱(旧 ㈱メディカル青果物研究所)の分析データのデータベースから比較してみました!



今回比較した5種類の豆類は、「莢の中の実だけを食べる豆類」であるそらまめ、枝豆のグループと、「莢ごとたべる豆類」であるさやえんどう、さやいんげん、スナップエンドウのグループに分けることができます。

Brix糖度は「莢の中の実だけを食べる豆類」のほうがやはり味が濃いという点もあり、「莢ごと食べる豆類」より高い傾向にありました。
ビタミンC含量に関しては、「莢ごと食べる豆類」の方が、莢由来のビタミンCも含まれるため「莢の中の実だけを食べる豆類」より高い傾向になったと考えられます。

抗酸化力(植物ストレス耐性力)については、「莢の中の実だけを食べる豆類」の方が高い傾向にありました。
データは示していませんが、データベースを詳しく見てみますと、抗酸化力(植物ストレス耐性力)においては算出している平均値を出しているグループの個体差は、「莢ごとたべる豆類」のほうが個体差は小さく、「莢の中の実だけを食べる豆類」のほうが個体差は大きいことがわかりました。

枝豆同様に『そらまめ』も鮮度が命。収穫から日にちが経つにつれ栄養素が減少し、味が落ちると言われています。そのため個体差が出やすいグループとも言えます。

一方さやえんどう、さやいんげん、スナップエンドウの「莢ごと食べる豆類」に関しては、「莢の中の実だけを食べる豆類」よりは鮮度の影響による栄養成分の変化が少なく、個体差が出にくいグループなのかもしれません。

こういったことから、 そらまめ本来の栄養をしっかりと摂るためには、なるべく買ってからすぐ食べて頂くことがデータから見ても重要と言えます。今時期から6月頃までが収穫時期となりますので、ぜひこの期間に、旬の味覚の『そらまめ』を積極的に食べていきましょう!
RAKUSAIでは、これからも青果ボックスに入っている野菜や果物の情報を、データと共にご紹介していきます。

参照
※1 台風並みの暴風となる「春の嵐」「メイストーム」 気象情報や警報・注意報に注意して安全対策を(https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201304/2.html)
※2 今月の野菜 そらまめ(https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/yasai/0605_yasai1.html)