青果で睡眠も改善!機能性成分【GABA】

皆さんこんにちは!
今年は既に気温が夏日、真夏日を超えているところも多く、夏本番の暑さが迫ってきています。日差しも強くなるので、しっかりと体調管理をしていきたいですね。

新年度が始まって、早くも1カ月が経ち、進学や就職などで新生活を迎えた皆さんにとっては、疲れやストレスを感じやすい時期だと思います。そこで今回はストレス緩和や血圧の低下機能、また睡眠の質を向上させる成分として注目される『GABA(γ-アミノ酪酸)』についてご紹介します!

GABAは、哺乳類の脳に多く存在し、神経伝達物質としても機能する非たんぱく質構成アミノ酸の1種です。野菜や果物、お茶や米類といった多くの食品にも含まれていて、日常的に食事から摂取をしている成分になります。※1

近年、機能性表示食品として取り扱いが多くあるGABAは、特定の青果にしか含まれていないイメージがありますが、実は広く様々な青果物に含まれている成分になります。※2

機能性表示食品の「生鮮食品」届出の中で、229件中83件がGABAと、約3割以上がGABAの機能性を受理した製品となっています(2024年5月現在)。この受理された数からも注目度が高い成分と言えますね!
機能性食品表示でのGABAの機能性は3つあります。カッコには機能性が報告される必要摂取量を記載しています。※3

①「血圧が高めな方の血圧を下げる機能」(12.3㎎摂取)
②「事務的作業に伴う一時的な精神的ストレスによる気力の低下を緩和する機能」(28㎎摂取)
③「睡眠の質(眠りの深さ、すっきりとした目覚め)を高めるのに役立つ機能」(100㎎摂取)

上記①、②の機能性に関しては、「生鮮食品」においては他の機能性成分でもうたわれているものがありますが、③の睡眠の質を高める機能に関しては、GABAのみとなり、GABA特有の機能と言えます!

しかしながら、「GABA」と「睡眠」が関係していることに実感がわかない方もいるかもしれません。とある実験では、実際に昼間にGABAを摂取するとで、夜の睡眠において「早く眠りにつける」、「深い眠りで熟睡度が上がりすっきり目覚められた」という結果が見られています。※4

一方で、こういったGABAの機能を発揮させるためには、機能性食品表示を上手く摂取すると気軽にとれますが、通常の青果でとなると、かなりの量を摂取しなくてはなりません。

しかし、GABAをより効率的に摂取するために、野菜にある下ごしらえをすることで、野菜の中のGABA含有量を飛躍的に上げることができる方法があります!※5

下ごしらえのポイントは、3つの手順を踏みます。
①野菜を切った後に旨味成分が多い食材と混ぜる
②空気を遮断する
③室温で一晩(~24時間)放置する

植物体内のGABAは、旨味成分であるグルタミン酸を基質とした酵素が反応することによって生成されます。野菜を切るとグルタミン酸と酵素の接触部位を増やすことに繋がり、また空気を遮断して嫌気呼吸の状態にさせ、さらに常温で放置することで酵素が活性する条件となります。

よって、上記の下ごしらえをすることで、GABAを生成するのに最適な環境を作ることができます。そしてGABAは加熱調理をしても失われることがありません。※5

これから気温が暑くなるため、室温での放置は食中毒の恐れもあるので注意が必要ですが、こういった調理の工夫で、酵素の働きによりGABA含有量を増やすことができるということ、知らない方も多かったのではないでしょうか。

生鮮の様々な青果で機能性表示がされている注目の「GABA」。この機会にGABAを意識した製品選びや調理の仕方をしてみてはいかがでしょうか。

RAKUSAIでは、これからも青果ボックスに入っている野菜や果物の情報を、データと共にご紹介していきます。

参照
※1 γ‐アミノ酪酸(GABA)について(https://ssl.mac.or.jp/memberregistration/trivia.php?id=32)
※2 Pietro Gramazio, Mariko Takayama and Hiroshi Ezura: Challenges and Prospects of New Plant Breeding Techniques for GABA Improvement in Crops: Tomato as an Example, frontiers in Plant science,(2020),pp.2
※3 機能性表示食品の届出情報検索(https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc01/)
※4 ギャバ・ストレス研究センター 新発見!昼間に摂取したGABAがその日の睡眠の質を改善 (https://www.gabastress.jp/result/2018/03/20180319.html)
※5 日本獣医生命科学大学 第66号: 下ごしらえを工夫した野菜は、“リラックス”効果がすごい!?(https://www.nvlu.ac.jp/food/blog/blog-066.html/)