爽やかな香りで気分も爽快!【シソ】

皆さんこんにちは!
今年は早くも「台風1号」の発生が報告されており、急激な気候の変化が起こりやすくなっています。常に情報を取り入れて、気候の変化に対応していきるよう準備を心がけていきたいものです。

梅雨に入り、どんよりとした天気が続くと、気持ちが晴れない日も多くなりますよね。今回は、そんな沈んだ気持ちを一気に晴らしてくれるような、爽やかな味わいが特徴の【シソ】をご紹介します!

「シソ」は大きく分けて「青紫蘇」と「赤紫蘇」の2種類に分けられます。また漢字では紫という字を使う通り、もともと赤紫蘇のことを指しており、後に変異種である青紫蘇が誕生したと言われています。
青紫蘇や赤紫蘇というと、実や芽などの部分も含まれることから、食用の香味野菜として販売するために、青紫蘇の葉の部分を「大葉」というようになったそうです(※1)。

「大葉」は付け合わせによく使われていて、一度にたくさん食べる野菜というイメージではありませんが、実は大葉には「β-カロテン」と言われる機能性成分がたっぷりと含まれています。

一般的にβ-カロテンが多いとされるニンジンでは100gあたり6,700 µg含まれているところ、一方、大葉では100gあたり11,000µgと、ニンジンよりも約1.6倍も高い含有量の野菜なのです(※2)。

β-カロテンは「抗酸化作用を持つベータカロテンは、紫外線刺激から肌を保護するのを助ける機能性があることが報告されています。」(※3)という文言で機能性表示されている成分なので、これから日差しが一段と強くなる夏に向けて、積極的に取り入れていきたいですね。

シソの中でも大葉は、ハウスでも栽培されているため、一年を通して手に入れることができますが、本来夏場の7月から10月が旬となるので、これからがより美味しく食べられる時期と言えます。一方で赤紫蘇は、梅を漬ける時期でもある6月から7月に多く出回っています。

赤紫蘇には「アントシアニン」という色素が含まれており、沸騰した水に入れると色素が溶け出します。煮出した水は、鮮やかな赤色をしていて、砂糖やお酢を加えることで「赤紫蘇ジュース」として楽しむことができます。

赤紫蘇は大葉のように生でも食べられる野菜ではありますが、赤紫蘇特有の色を生かすために加工食品向けの使用が多く、店頭販売でも大葉のような10枚1束売りではなく、100g単位で袋売りされていたりするので、こういった点も大葉とは違った特徴と言えるかと思います。

それでは、今回のデータの比較について、大葉と赤紫蘇(葉のみ)で数値を見ていきます!
大葉はデザイナーフーズ(株)のデータからも優秀な数値が出ています。
そこでまずは、これからの暑い時期に重宝する「薬味」として使われる、大葉、生姜、みょうがの3品目を比べてみました。





Brix糖度と抗酸化力(植物ストレス耐性力)、ビタミンC含量ともに、大葉が一番高い値となりました。
では、次に大葉と赤紫蘇(葉のみ)のデータを比べて見てみましょう。




Brix糖度は同等の値でしたが、ビタミンC含量については約1.6倍、抗酸化力(植物ストレス耐性力)に関しては約2.8倍高い値となりました。抗酸化力(植物ストレス耐性力)が飛躍的に高い理由としては前述でお話しした通り、色素のアントシアニンの成分が影響していると考えられます。

薬味のなかでも高い値を示した大葉に比べ、赤紫蘇だとさらに高いということ、知らない方も多かったのではないでしょうか。

RAKUSAI『野菜が美味しいレシピ』に載っている赤紫蘇ジュースの作り方(※4)を参考に、上記の赤紫蘇のデータから赤紫蘇ジュース1杯分(200ml)にどれくらいの抗酸化力(植物ストレス耐性力)が含まれるか計算をしてみました。

赤紫蘇の抗酸化力(植物ストレス耐性力)を赤紫蘇ジュースで100パーセント摂取できるとした場合、1杯分におよそ100㎎TEの抗酸化力(植物ストレス耐性力)が含まれます。これは上記の大葉のデータに換算(大葉10枚1束=7g(※5))すると、なんと約7束分の大葉と同じ抗酸化力(植物ストレス耐性力)を摂取できるという計算になります!

こうしてみると、赤紫蘇ジュースにすることで、普段の大葉の食べ方(薬味)と比べても、非常に手軽に摂取できるということがわかりましたね。見た目も色鮮やかで、栄養満点の赤紫蘇ジュース、ぜひ作ってみてはいかがでしょうか!

梅雨間近のこの季節に、シソのチカラですっきりと!元気な身体を整えていきましょう!

RAKUSAIでは、これからも青果ボックスに入っている野菜や果物の情報を、データと共にご紹介していきます。

参照
※1 シソとは?大葉の違い・旬な時期・美味しい食べ方・保存方法など(https://agri.mynavi.jp/2024_05_05_258791/)
※2 日本食品標準成分表2020版(八訂)より
※3 機能性表示食品の届け出情報「ベータカロテン」
※4 RAKUSAI 赤紫蘇ジュース(https://rakusai-recipe.com/recipe/red-shiso-juice)
※5 日本食品成分表示2020年版(八訂)参照