甘くてジューシーな夏の味覚!【スイカ】

皆さんこんにちは!
日中が30度を超える「真夏日」となる日が増えている一方で、今年も線状降水帯の発生が報告されています。蒸し暑さで体調も崩しやすくなる季節となります。しっかりと休息をとって、これからやってくる夏を乗り切りましょう。

夏と言えば、青くすみ切った空に燦々と照らす太陽が印象的な季節ですよね。今回はそんな晴れやかな季節にぴったりのフルーツ(果実的野菜)【スイカ】をご紹介します!

「スイカ」は古くから栽培されている作物で、エジプトでは4000年以前の壁画に、スイカが栽培されている様子が描かれているそうです。ギリシャに西暦紀元初期に伝わり、ヨーロッパ中部からインド、中央アジア、中近東といった「内陸乾燥地帯」を中心に幅広い国に普及していきました。

日本には歴史の教科書にも載っている『鳥獣戯画』に描かれるウサギが、縞模様のあるスイカのようなものを持っている様子が描かれていることから、平安時代にはスイカが渡来していたと言われています!

江戸時代には換金作物として栽培され、日本各地の地域で多くの品種が扱われており、一般市民にも非常になじみのある作物であったことが伺えます※1。

現在日本では、150種類以上の品種があると言われています。その中でも、大きく分けて紅肉・黄肉・白色種という3種類のスイカがありますが、紅肉種が90パーセントを占めています。昭和のころには植物ホルモンを使って、初めて『種子なしスイカ』が誕生し、家庭用冷蔵庫でも冷やしやすいサイズ感を目指した、『小玉スイカ』も誕生しています※1。小玉スイカは皮が薄いので可食部が多いのが特徴です。

最近ではスーパーで大玉スイカがカットされた状態で売られていることもあり、より気軽にスイカを楽しむことができるようになりました。時代の流れとともに、スイカも消費者のニーズに沿って変化を遂げてきたことがわかりますね!

それでは、今回のデータの比較は、紅肉種の「大玉スイカ」と「小玉スイカ」のBrix糖度と抗酸化力(植物ストレス耐性力)を比べてみました。



Brix糖度については、顕著な差は見られませんでしたが、抗酸化力《植物ストレス耐性力》において、小玉スイカは大玉スイカよりやや高い傾向が見られました。

やはり「スイカ」と聞くと大半の方が大玉スイカを思い浮かべるかと思いますが、小玉スイカも大玉スイカに引けを取らない数値であることから、美味しいスイカということがわかっていただけたかと思います!

スイカの色はカロテノイド系の色素から成り立っており、紅肉種のスイカのβ-カロテン含量は緑黄色野菜に匹敵(830μg/100g)する含量があります※2。

また紅肉種のスイカには、一般的なトマトより40%も多くリコピンが含まれていると言われています(3~10㎎/100g)※3。さらに10㎎/100gのビタミンCも含まれています※2ので、紫外線の多い夏にスイカを食べるのは実に理にかなっていると言えます!

昔から愛され続けてきた日本の夏に欠かせないスイカ。今年の夏も水分補給に、そして栄養補給に!スイカを積極的に食べて、これから迎える暑い夏を乗り越えていきましょう!

RAKUSAIでは、これからも青果ボックスに入っている野菜や果物の情報を、データと共にご紹介していきます。

参照
※1 スイカの歴史(https://suika-net.co.jp/user_data/history)
※2 日本食品標準成分表2020年版
※3 T.Hashizume,2019,Breeding and Utilization of Watermelon,Nippon Shokuhin Ksgaku Kogaku Kaishi,66(8),314~318