本格的な暑さが連日続き、全国的にゲリラ雷雨の発生で天気が急変することが増えてきています。先日、関東都心部では一時的な豪雨により浸水被害が起きています。毎年ゲリラ豪雨は8月中旬ごろをピークに発生しやすい時期になるそうですので、今後も熱中症対策に加え、急な天気による雨対策もしっかり進めていきましょう。
今回は夏の食卓やおやつにも最適!濃厚でジューシーな甘味のある「スイートコーン」をご紹介します!
まず、トウモロコシとスイートコーンの違いですが、一般的に穀物としての乾燥コーンを「トウモロコシ」、野菜としての未熟のトウモロコシを「スイートコーン」と呼びます。
トウモロコシはマヤ文明やアステカ文明にも記述が残っているほど古くから大規模に栽培されていたと言われています。その後アメリカ大陸からヨーロッパ諸国へ渡り、16世紀初めにアジアへ、日本には1579年にポルトガルから伝わったとされており、明治初期に本格的な栽培、流通が広がったと言われています(※1)。
スイートコーンの特徴は、なんといっても粒に含まれる強い甘味ですよね。スーパースイート種の「ハニーバンタム」や「ピーターコーン」はおやつとしての需要が高い品種とされています。「ピーターコーン」は、黄粒種と白粒種類の一代雑種で、3対1の割合で黄色と白色の粒が現れるため、バイカラーコーンと呼ばれています。同じくバイカラー種では、より高糖度となった「ドルチェドリーム」などがあります。
また、現在主流となっている品種のひとつに「ゴールドラッシュ」という品種があります。粒の色はきれいな黄色で粒皮が柔らかいので生のままでも食べられます。
同じく黄粒種で生食べられる、一般的なスイートコーンよりやや小さめな「ミライ」という品種や、一方で一般的なものよりサイズが大きく1本500gを超える黄粒種に「オオモノ」や「ハニーショコラ88」という品種もあります。
粒が白い白粒種には「ピュアホワイト」等があります(※1)。
このように様々なスイートコーンがあること、皆さんご存じでしたでしょうか。
今回のデータ比較では各品種別で糖度(Brix)と抗酸化力(植物ストレス耐性値力)の値を比較してみました。
Brix糖度、抗酸化力(植物ストレス耐性力)いずれも一番高い数値はやや小さめの黄粒種の「ミライ」となりました!
普段よく食べる黄粒種だと品種を意識することもあまりないかもしれませんが、この機会に様々な品種のトウモロコシの味を堪能してみるのも楽しいかもしれませんね!
栄養面では、乾燥コーンは炭水化物やたんぱく質や脂質を多く含みますが、一方でスイートコーンでは胚芽の部分にビタミンB1・B2・Eなどのビタミン類、カリウム、リンなどのミネラルを含みます(※2)。また、粒皮の部分に食物繊維が豊富に含まれており、食物繊維総量は3.0g/100gで、これはサツマイモの2.8g/100gよりも多い含有量になります(※3)。
このように穀物の乾燥コーンにはない栄養面を兼ね備えている魅力的なスイートコーン。食卓の料理に!また定番のおやつに!スイートコーンをぜひ積極的に食べて、猛暑を乗り越えていきましょう。
RAKUSAIでは、これからも青果ボックスに入っている野菜や果物の情報を、分析データと共にご紹介して参ります。
参照
※1 技術と普及(2019年7月)農産物の機能性第50回 スイートコーン
※2 旬の野菜の栄養辞典 監修 吉田企世子
※3 日本食品標準成分表2020年版(八訂)