食物繊維が豊富な緑黄色野菜【オクラ】

皆さんこんにちは!
南海トラフ地震への注意喚起が発表され、異例のお盆休みとなりました。今週からお仕事を再開される方も多いと思いますので、引き続き暑さ対策に加え、災害にも備えて過ごしていきましょう。

まだまだ、連日の猛暑で夏バテ気味という方も多いかと思います。そこで今回は、夏でもつるっと食べやすい、ネバネバ野菜の「オクラ」をご紹介します!

オクラは、アオイ科トロロアオイ属の植物で紀元前から栽培されている歴史の長い野菜です。原産地はアフリカ北東部で、熱帯地方では通年で栽培されますが、日本では越冬できないため、国産の出回りは6月から10月頃までです(※1)。

日本国内では主に沖縄、九州、四国、関東の一部で栽培されており、令和2年での生産量では、1位が鹿児島県で5,210t(シェア43.4%)、2位が高知県で2,050t(シェア17.1%)、3位が沖縄県1,060t(シェア8.8%)となっています(※2)。

オクラが日本で食べられるようになったのは1970年頃で、アメリカから入ってきたと言われています(※1)。和食にも使われることから「和」のイメージがあるオクラですが、実はもともとの名称は現地語に由来しており、英語でも「Okra」となっています(Gumboとも言われます)。

オクラは花が咲いた後に実をつけますが、そのままにしておくと実は固くなり食べられなくなります。普段食用で食べられるオクラは、実が出来始めた小さなものや、まだ若く、柔らかいうちに収穫したものになります。

オクラの品種は、長さ10㎝程の断面が五角形の形をしている、いわゆる一般的なオクラである「角オクラ」をはじめ、約20㎝の長さのある沖縄の「島オクラ」や八丈島の「八丈オクラ」といった、断面にあまり角がなくて丸い「丸オクラ」があります。

また、赤紫色の「赤オクラ」には、角オクラと丸オクラのどちらのタイプもあり、加熱料理をすると緑色になってしまう特徴があります。(※3)

他には、通常のオクラよりさらに未熟果である「ミニオクラ」や、太くて短い「ダビデオクラ(ダビデの星)」もあります。
今回の青果ボックスでは、ダビデの星のオクラが入っていますので、普段とは違うオクラをぜひ堪能してみてください!

そこで今回のデータ比較は、先ほどご紹介した「角オクラ」、「丸オクラ」、「赤オクラ」で品種間による成分の差があるのかを、グループ会社(デザイナーフーズ㈱)のデータから比較してみました。いずれも角オクラの値を100とした際の相対値で表しました。

角オクラ、丸オクラ、赤オクラの抗酸化力、ビタミンC含量を比較してみました

抗酸化力(植物ストレス耐性力)は、「赤オクラ」、「角オクラ」、「丸オクラ」の順に高い結果となりました。赤オクラが一般的な角オクラと比較して3割ほど高いのは、ポリフェノール一種であるアントシアニンの赤い色素の影響が考えられます。しかし、前述でもお話しした通り、調理をすると緑色に戻ってしまうので、機能性を保つためには生のままで食べるほうが良いかもしれません。

ビタミンC含量については、「丸オクラ」、「角オクラ」、「赤オクラ」の順に高い結果となりましたが、3種類ともほぼ同等の値であることがわかりました。

農林水産省では緑黄色野菜の定義を、「原則として可食部100g当たりβカロテン含量が600㎍以上のもの」としています。オクラのβカロテンは100gあたり670㎍(※4)となりますので、意外にも立派な緑黄色野菜と言えます!

またオクラといえば、なんといっても特有の「粘り」が特徴ですよね。この粘りの元となっているのは水溶性の食物繊維となります。オクラの食物繊維は100g当たり5.1gですが、食物繊維が非常に多いとされるゴボウでも100g当たり5.7g(※4)なので、特に多いことがわかります。

さらに詳しくいうと、水溶性の食物繊維のなかでもペクチンが含まれており、便通を促し、腸内環境を整えてくれたり、つるんとした口当たりが食欲増進を助けてくれたりと、暑い日々の救世主のような存在です(※5、6)!

オクラなどの粘り気のある野菜は、昔から滋養強壮効果が期待されており、夏バテ防止に良いとされています(※5)。
国産のオクラが出回る時期も折り返し地点に差しかかっていますので、ぜひこの時期にオクラを食べて残りの暑い夏を乗り越えていきましょう!

RAKUSAIでは、これからも青果ボックスに入っている野菜や果物の情報を、データと共にご紹介していきます。

参照
※1 技術と普及 農産物の機能性 第5回 オクラ
※2 農林水産省「地域特産野菜生産状況調査」(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00500501)
※3 旬の食材百貨 オクラの概要や品種と産地と旬(https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/vegitable/okura.htm)
※4 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
※5 農水省 夏バテを予防するには(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/culture/wagohan/articles/2207/spe7_01.html)
※6 厚生労働省e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html)