ブロッコリーの立役者!?品種も豊富な【カリフラワー】

皆さんこんにちは!
9月入り、まだまだ残暑が厳しいですが、朝晩になるとかなり気温が下がり、日中との温度差が出てきています。季節の変わり目となりますので、引き続き体調管理に気を付けていきましょう!

今回はこれから寒くなるにつれて旬を迎える「カリフラワー」のご紹介です!

カリフラワーはケールから分化したアブラナ科の野菜で、原産地は地中海沿岸の温暖地とされています。フランス語の「chou-fleur」は「キャベツの花」という意味で、その名の通り蕾が発達せずに肥大した部分を食べます。

インドやミャンマーなどへ19世紀中ごろに伝わり、食卓に欠かせない野菜とされてきました。日本にも同時期にあたる明治初期に伝わってきましたが、洋菜として一般に出回るようになったのは、戦後の生野菜を使ったサラダが普及し始めた昭和30年後半以降と言われています。

50年代以降になると、緑黄色野菜であるブロッコリーの人気に押され、生産量が減少していったと言われています(※1)。実際に青果物卸売市場調査報告によると、昭和61年までは、取扱い数量がブロッコリーに比べカリフラワーの方が多かったものの、昭和62年を境にブロッコリーの数量がカリフラワーを上回り、逆転しています(※2)。

今では店頭でもたまに見かけるくらいのカリフラワーですが、実は戦後から昭和まではブロッコリーよりも多く出回っていた野菜だったということ、知らなかった方も多いのではないでしょうか。

最近では国の指定野菜に入る程の人気のブロッコリーですが、実はカリフラワーにもブロッコリーにはない優れた栄養的特徴を持っています!ブロッコリー同様に多く含まれる栄養素としてカリウム(410㎎/100g)やビタミンC(81㎎/100g)です(※3)。

カリフラワーは食べたら分かる通りサクサクとした食感ですが、細胞組織がブロッコリーよりもしっかりとしています。そのため、茹でて調理をした際に栄養素が野菜外へ流出しにくいと言われています!



ビタミンCは、生の状態だとブロッコリーの方がカリフラワーよりも多いものの、茹でた状態になると、ほぼ同等の数値となりました。カリフラワーは茹でることによるビタミンCの損失が少ないことがわかるかと思います。

日本でもなかなか食べ馴染みのないカリフラワーですが、実はアメリカでは2017年頃から人気が急上昇しているのをご存じでしょうか。炭水化物を控えようとする健康食として、味が淡白で汎用性のあるカリフラワーは様々な代替食材として広がりました。

その中でも特に注目されたのが、お米の代わりに細かく刻んだ「カリフラワーライス」です(※4)!その影響もあって、今では日本でも冷凍食品のカリフラワーライスが販売されています。手頃に食べられる加工品のカリフラワーとして、ご飯の代わりに一度試してみてはいかがでしょうか。

また、カリフラワーと言えばクリーム色っぽい白色をしたものが一般的ですが、実は様々な品種や仲間があります。

・紫カリフラワー
表面だけでなく、軸の中以外は綺麗な紫色をしてします。アントシアニンによる色素の影響により、加熱をすると青色になりますが、ピクルスなどの酢漬けなどにすると鮮やかな紫色に戻ります。

・オレンジカリフラワー
茹でてもオレンジ色が残るのでサラダにお勧めです。一般的な白いカリフラワーと違いβ-カロテンも豊富に含んでいます。

・グリーンカリフラワー
ブロッコリー程濃い緑ではなく、優しい黄緑色のカリフラワーです。茹でても黄緑色をしていて、表面近くは薄い黄緑色をしており、芯部はクリーム色をしています。

・カリフローレ
トキタ種苗が2012年に開発した新しいカリフラワーの一種で、花梗(花の下の軸の部分)が細長く分岐し、花蕾がバラケているカリフラワーになります。一般的なカリフラワーが主に花蕾を食べるのに対し、カリフローレは長い花梗部分を食べます。

・ロマネスコ
ロマネスコという名前はイタリア語で、現地ではブロッコロ・ロマネスコと呼ばれています。分類上はカリフラワーの仲間とされており、ブロッコリーとカリフラワーよりも古くからある植物と言われています。最も大きな特徴は花蕾がフルクタルの構造をもち、見事に美しい先がとがった螺旋状の模様を描いています(※5)。

このように、白いカリフラワーの他にもカラフルなものや進化を遂げた様々な品種があることがおわかりになったかと思います。 そこで、今回のデータ比較では、上記の品種ごとの値をグループ会社(デザイナーフーズ㈱))のデータを元に比較してみました!(いずれも白カリフラワーの数値を100としたときの相対値で表しています。)



ビタミンC含量に関しては、全体的に品種間での差は見られませんでしたが、 抗酸化力(植物ストレス耐性力)では、紫カリフラワーがダントツ高い値となりました。これは、ポリフェノールであるアントシアニン色素の抗酸化力による影響で数値が高くなったと考えられます。また同様に、オレンジカリフラワーやグリーンカリフラワー、黄緑色をしているロマネスコの色がついているカリフラワーは、白カリフラワーより値が高い傾向となりました。

意外と知らなかったカリフラワーの魅力がたくさんあったのではないでしょうか。寒くなるこれからが旬となりますので、ぜひ積極的に食べてみてはいかがでしょうか。

RAKUSAIでは、これからも青果ボックスに入っている野菜や果物の情報を、データと共にご紹介していきます。

参照
※1 独立行政法人 農畜産業復興機構 今月の野菜 - カリフラワーの需給動向 調査情報部(https://www.alic.go.jp/content/001171078.pdf)
※2 e-Stat 政府統計の総合窓口 青果物卸売市場調査(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00500226&tstat=000001015623&cycle=0&year=20220&month=0&tclass1=000001034370&tclass2=000001165286&tclass3val=0)
※3 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
※4  Cauliflower in power: The veggie catches up to the hype(https://www.fooddive.com/news/cauliflower-in-power-the-veggie-catches-up-to-the-hype/520560/)
※5 旬の食材百貨 カリフラワー:旬の時期や主な産地と生産量(カリフラワー:旬の野菜百科 (foodslink.jp))