人気急上昇!彩りカラフルな「高」抗酸化力野菜!【パプリカ】

皆さんこんにちは!
日中は暖かい陽気を感じる日もありますが、夜には冷え込み温度差が激しい時期となりました。季節の変わり目になりますので、しっかり体調管理をしていきましょう。

10月になると、学校では運動会や発表会、また月末にはハロウィンなど秋のイベントが盛りだくさんです。様々なイベントにちなんで、今週の青果ボックスは『パーティーメニュー』をテーマに野菜のセットアップやシェフ考案のメニューを展開しております。
そこで今回はパーティーメニューにぴったりな彩り野菜、「パプリカ」についてご紹介します!

パプリカは、ナス科トウガラシ属の果菜類で、原産地は熱帯アフリカ。トウガラシの仲間に属しますが、辛味のない品種となります。色は赤、オレンジ、黄色、緑などさまざまな色のものが出回っています。

国内では輸入品が多く流通しており、2020年実績で比較すると、輸入は3万6803t(※1)に対して、国産は6520t(※2)とおおよそ85%が輸入となっています。

一方、2020年時点での国内の主要産地は、1位が宮崎県(1350t、21%)、2位が茨城県(1240t、19%)、3位が大分県(863t、13%)となります(※2)。

日本にパプリカの本格的な輸入が始まったのが1993年、その後国内での生産が始まったのが1998年から(※3)となり、意外にも歴史が浅い野菜です。

当初は高価な野菜として、百貨店や高級スーパーなどに並ぶ野菜でしたが、2001年より韓国からの輸入が始まると同時に低価格化が進み、地方のスーパー店頭や、サラダのトッピングをはじめとして、ファミリーレストランのメニューなど、外食・中食の素材にも使われるようになり、日本へ浸透して行ったと言われています(※3)。

パプリカがこのように急激に消費を伸ばす野菜となった理由として、やはり鮮やかな色と爽やかな甘さがあること、そして生や炒め物、酢漬けなど料理への汎用性が高いことがあるかと思います。

パプリカはその鮮やかな色素から、抗酸化力(植物ストレス耐性力)」がとても高い野菜になります。その色素成分はニンジンなどにも多く含まれる脂溶性成分のカロテノイド類です。

では、パプリカの色別によって、この脂溶性成分抗酸化力(植物ストレス耐性力)の違いはあるのでしょうか。グループ会社(デザイナーフーズ(株))の脂溶性成分を測定する抗酸化力測定(SOAC法)のデータより比較してみました。

色別パプリカの抗酸化力を比べてみました
パプリカ(赤)、パプリカ(オレンジ)、パプリカ(黄)の順に低く、しっかりと差のある結果となりました。これは色調によって含まれる脂溶性成分が異なるため、差が出たものとなります。

次に色別のピーマンにおける各脂溶性成分の量を見ていきましょう。

色別ピーマンにおける各脂溶性成分量を比較しました
食品成分表に記載のある、カロテノイド類のうち、α-カロテンとβ-クリプトキサンチンはオレンジピーマン、β-カロテンは赤ピーマンが最も高い値となりました。先ほどのSOAC法による抗酸化力の強さはβ-カロテン、α-カロテン、β-クリプトキサンチンの順となるため(※4)、β-カロテンが最も多いパプリカ(赤)が一番高い抗酸化力になった理由と考えられます。

普通のピーマンと比べると、少し値段の張るパプリカですが、その中身の栄養成分はまさに、お値段以上!と言っても過言ではありません。色調にも様々な特徴があるパプリカ。ぜひ、積極的に食べてみてはいかがでしょうか。

RAKUSAIでは、これからも青果ボックスにはいっている野菜や果物の情報を、データと共にご紹介していきます。

参照
※1 政府統計(e-stat)2020年 農林水産物品目別実績(輸入)、うちジャンボピーマン
※2政府統計(e-stat)2020年 地域特産野菜生産状況調査、うちパプリカ
※3 筑波大学 パプリカ生産の実態とかだいおよび現場労務管理ソフトの開発(https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/senmon/1709_chosa02.html)
※4 向井、大内、オレオサイエンス 第13巻第8号、21-28.(2013)