機能性に優れた世界中で愛される万能果実【リンゴ】

皆さんこんにちは!
12月に入り、ようやく本格的な冬の気候となってきました。これからクリスマスや年末などイベントが盛りだくさんですが、インフルエンザなどの感染症も増えてくる時期になります。身体を冷やさないよう体調管理に十分気を付けていきましょう。

今回は、そんな冬の体調管理の救世主!機能性に優れた万能果実『リンゴ』についてご紹介します。

リンゴはバラ科リンゴ属に分類される落葉高木植物で、苗木を植えてから実がなり始めるまでには約4~5年かかります。育て方次第では、その後数十年間も実を付け続けることができ、寿命の長い作物と言われています。

リンゴ栽培の歴史は世界的に非常に古く、原産地である中国・天山山脈、コーカサス地方から世界に広がっていきました。17世紀前半にヨーロッパからの移民によってアメリカにわたり、新種の開発など大きな発展をとげたとされています。

日本では、平安時代の中頃に「リンゴ」の名が記録されておりますが、これは中国から渡来した「和リンゴ」と呼ばれる粒の小さな野生種だったそうです。

現在のようなリンゴがつくられ始めたのは、明治初期になってからになります。開拓使がアメリカから多くの品種を輸入し試験栽培が行われた結果、比較的涼しい気候の地域に適していることが分かり、新しい作物として普及していきました。現在日本で栽培されている品種は約2000種とされ、さらに世界的には約1万種以上ものリンゴがあると言われています(※1)。

日本で最もポピュラーで食べられているリンゴと言えば、皆さんご存じの通り青森県で誕生した「ふじ」になります。このリンゴは国外へ盛んに輸出されており、海外でも「Fuji」の名で親しまれています。また中国をはじめとした海外でも栽培がされています。2001年に実施された国際園芸学会情報誌に掲載された論文の中には、「ふじ」が世界的に最もつくられている品種であることが確認されました。

欧米では昔から「一日一個のリンゴは医者を遠ざける」と言われる程、リンゴは栄養価が高い果物と言われ、カリウムやカルシウム、鉄、食物繊維、ビタミンC、リンゴ酸やクエン酸などの有機酸の他、ポリフェノールの一種であるプロシアニジンという抗酸化作用をもつ成分が含まれています(※2)。

では、そんな多くの優れた機能性成分をもつリンゴですが、品種ごとに差はあるのでしょうか。そこで今回のデータ比較では、様々なリンゴの品種で抗酸化力(植物ストレス耐性力)の値を見ていきたいと思います。グラフは「ふじ」の抗酸化力(植物ストレス耐性力)を100としたときの相対値となります。

下記、グラフの色については、赤色が『皮つきの皮が赤いリンゴ』、オレンジ色は『皮なしの皮が赤い赤色リンゴ』、黄緑色については『皮なしの皮が黄色いリンゴ』、ピンク色に関しては『皮なしの皮も実も赤いリンゴ』の数値となっています。

抗酸化力を比較してみました

皮なしと皮つきの「ふじ」と「つがる」をそれぞれ比べてみると、「ふじ」では約1.4倍、「つがる」では約1.3倍と、いずれも皮つきの方が高い値を示しました。ポリフェノールの一種であるアントシアニンはリンゴの果皮の赤くする色素になりますので、皮なしよりも皮つきの方が数値が高くなったと考えられます。

また、アントシアニン含量で着目すると、果肉まで赤く、アントシアニン含量が高い「ゴショガワラ」が最も高い数値となりました。果皮の有無や品種によってそれぞれ特性があることがお判りいただけたかと思います!

今回の青果ボックスでは甘酸っぱく料理用として人気の高い「紅玉」が入っておりますので、ぜひご堪能ください!
前述した通り、国内でのリンゴの品種は約2000種もあります。ぜひ、この冬は様々なリンゴの品種を食べて、健康な身体づくりを心がけてみてはいかがでしょうか。

RAKUSAIでは、これからも青果ボックスにはいっている野菜や果物の情報を、データと共にご紹介していきます。

参照
※1 ※1 技術と普及 農産物の機能性 第31回 りんご(2017年12月)
※2 高橋書店 板木利隆 監修 「からだにおいしい野菜の便利帳」