冬を代表する緑黄色野菜!ミネラルも豊富な【小松菜】

皆さんこんにちは!
どんどん冬の寒さが深まり、この時期ならではの暖かい料理が一層美味しく感じる季節となってきましたね。今年も残すとこあとわずか!素敵な新年を迎えられるよう体調を整えて過ごしていきましょう。

今回はどんな料理にも相性抜群、東京発祥の野菜『コマツナ』についてご紹介します。

コマツナは江戸時代から栽培されてきた東京都の特産品です。コマツナの名前の由来は諸説ありますが、そのひとつが江戸幕府8代将軍、徳川吉宗が名付けたものと言われています。

1719年、鷹狩りで小松川を訪れ、香取神社に立ち寄って昼食をとった際に、すまし汁に入っていた青菜を吉宗公が大変気に入り、その青菜の名前がまだなかったことから、神社のある地名にちなんで小松菜と命名したことが始まりと言われています。その後、将軍命名の青菜ということで全国的な知名度を持つようになったとされています(※1)。

昭和中期までは秋冬期のみ栽培され、年末年始に出回るものを「冬菜」や「雪菜」、初春に出回るものを「鶯菜(うぐいすな)」とも呼んでいました(※1)。コマツナは栽培期間が短く、年間で最大7~8回も作付けが可能なため、営農上の優位性が有ることや、連作障害が起きにくく作りやすいこと、また栄養面でも注目され需要が伸びたことなどから、都内のみならず、今では全国に産地が広がる野菜に発展しました(※2)。

全国の出荷量を見てみますと、令和4年時点で1位が茨城県で約2.3万トン(シェア約22%)、2位が埼玉県で約1.2万トン(シェア約11%)と、こちらは関東圏ですが、3位では九州の福岡県で約1.1万トン(シェア約10%)(※3)となります。

今では周年で栽培されるコマツナですが、季節による栄養成分の変化はあるのでしょうか。
そこで今回はグループ会社(デザイナーフーズ(株))の栄養・成分データからコマツナの収穫月次ごとの数値を見ていきたいと思います。
コマツナのBrix糖度、抗酸化力、ビタミンCの含量を比較してみました

1月をピークに、冬の時期になると全ての成分において高くなっていることが分かります。味の濃さの観点でBrix糖度を見ても旬の時期が高くなっていますので、今の時期は味も良し、そして中身の栄養成分も良しのコマツナと言えます。

コマツナはホウレンソウと並んで冬を代表する緑黄色野菜です。緑黄色野菜とは、「原則として可食部100g当たりカロテン含量が600µg以上の野菜」のことを指し、コマツナにおいては3100µg/100gとなります(※4)。カロテンは体内でビタミンAへと変換され、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です(※5)。

コマツナには他にも鉄分やマグネシウム、カルシウムなどのミネラル類も豊富です。ヒトでは体内で作ることができないため、ミネラルは野菜や海藻などの食物から摂取する必要があることから、コマツナは重要な供給源であるとも言えます。

今が一番おいしい旬のコマツナ。是非お正月ではお雑煮をはじめ、煮物や炒め物など様々な料理に活用できる野菜ですので、栄養満点のコマツナを是非とも積極的に食べてみてはいかがでしょうか。

RAKUSAIでは、これからも青果ボックスにはいっている野菜や果物の情報を、データと共にご紹介していきます。

参照
※1 農水省 もっと知りたい葉物野菜 こまつな(https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2301/spe1_01.html)
※2 独立行政法人農畜産業振興機構「シャキッとした新鮮なこまつな栽培」(https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/santi/1001_santi1.html)
※3 農水省 令和4年産都道府県別の作付面積、10a当たり収量、収穫量及び出荷量 こまつな
※4 日本食品標準成分表(八訂)
※5 消費者庁 知っていますか 栄養機能食品(https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/health_promotion/pdf/food_labeling_cms206_20200730_02.pdf)