今年もためになる青果物についての情報を発信していきますので、今後ともどうぞよろしくお願いします!
今年最初の青果物は、冬の寒さに負けない!体を温める食べる薬『ショウガ』についてご紹介します。
古くから生薬としても利用されてきたショウガは、ショウガ科ショウガ属の植物で、ミョウガやウコンなども同じ仲間に分類されます。熱帯アジアが原産で、インドや中国で紀元前から利用されていました。日本に渡ってきたのは3世紀頃で、主に生薬として栽培されてきたようです(※1)。
皆さんは日本で栽培されるショウガの品種をご存じでしょうか。
実は大きく分けてショウガは、「大ショウガ」、「中ショウガ」、「小ショウガ」という3種類に分類されます。
・大ショウガ:晩生種で茎や葉も大きく、根茎も一塊茎が大きく、一株1kg以上になります。国内産の主産地の品種となり、秋ごろに収穫したものを、貯蔵し余分な水分をなくして、栄養価を蓄積した状態で囲生姜として、通年で出荷されます。
・中ショウガ:中生~晩生で大ショウガに比べ小さい塊茎になります。大ショウガよりも辛味が強い品種で、ショウガの色が黄色なのが特徴です。
・小ショウガ:早生品種で、焼き魚などに添えるハジカミなどを中心に早掘して食べるのが小ショウガの特徴です。葉ショウガもこの分類に属します。この早堀を大ショウガですると水分の多い新ショウガとなります(※2)。
国内の収穫量をみると、2023年時点で総収穫量が4万5600トンになり、年々徐々に増加傾向にあります。圧倒的1位が高知県で1万6000トン(シェア約35%)、2位が熊本県で4140トン(シャア約9%)、3位は千葉県で2710トン(シャア約6%)。次に宮崎県が2350トン(シャア約5%)となります。
ショウガの効能と言えば、ショウガ独特の香りと辛味によるものが有名です。ショウガには約200種類を超える香り成分が含まれており、その多くが機能性を発揮します。食欲増進、疲労回復、夏バテ解消、健胃、解毒、消炎作用、風の初期症状の緩和、神経痛の改善、冷え性など生薬の効果でもうたわれているように様々な効果があります。
また代表する特徴に、ジンゲロールやショウガオール、ジンゲロンなどの独特の辛み成分があります。ジンゲロールは最も多く含まれる辛み成分、ショウガオールは貯蔵中に自然に増えていき、また加熱によっても増加することが知られています。ジンゲロンはごく微量の成分となり、ジンゲロールが分解し生成される非常に強い辛み成分です(※1)。
様々な効能を持ち、抗酸化力作用が豊富な生姜では、品種間などで抗酸化力違いはあるのでしょうか。
そこで今回のデータ比較では、一般的によく食べられている「根ショウガ」と収穫してすぐに出荷される「新ショウガ」、そして小ショウガに属する「葉ショウガ」で数値を比較してみました。
根ショウガと新ショウガを比べて見ますと、新ショウガよりも根ショウガの方が4割近く高い傾向にありました。前述した通り、根ショウガは新ショウガを貯蔵させたものになりますので、貯蔵することによって水分が抜けることや、中身成分が変化することにより、抗酸化力の数値に差が出たと考えられます。
葉ショウガについては根ショウガより約2割弱低い値となりました。葉ショウガは葉をつけたまま出荷されますので、新ショウガ同様に貯蔵期間がないショウガになりますので、数値としてはかなり優秀な品種と言えるかもしれません。
冬の寒さが更に深まるこの季節、ショウガを積極的に食べて、身体を温め健やかな新年のスタートきってみてはいかがでしょうか。
RAKUSAIでは、これからも青果ボックスにはいっている野菜や果物の情報を、データと共にご紹介していきます。
参照
※1 技術と普及 続 野菜の機能性 第6回 ショウガ(2014年6月号)
※2 JAやつしろ生姜部会 生姜人 生姜について(https://www.shouga-bito.com/about/02.html)