まだまだ寒い日が続き、年始の忙しい時期となりますが、体調を崩さぬよう過ごしていきましょう。
今回は、栄養満点野菜の代名詞ともいえる緑黄色野菜の王様、「ケール」についてご紹介します。
ケールはアブラナ科アブラナ属に属する1~2年草で、地中海沿岸地域が原産です。栽培の歴史は古く、約2000年前には始まっていたと言われています。日本に導入されたのは18世紀初期の江戸時代で、当時は観賞用として栽培されており、食用として扱われるようになったのは戦後になってからです。(※1)。
ケールは、ブロッコリーやキャベツなどの原種となる野菜です。
ケールの仲間のひとつに、非結球の葉キャベツの一種である『カーボロネロ』という、見た目がホウレンソウに似た野菜があります。今回の青果ボックスでは、このカーボロネロとケールをかけあわせた品種『カーボログランリーフ』が同梱されていますので、普段なかなか食べられないケールの味をぜひご賞味ください!
また、ケールの中でも大きく分類すると3つのタイプがあり、葉が灰緑色で縮みやしわが多いスコッチケール、また、カリーノケールなど葉に切れ込みが入り、青々とした比較的シワの少ないシベリアンケールの系統、そして、葉が丸く縮れがほとんど無いコラード系の3つがあります。日本で多く出回っているケールは、苦みや青臭さが無く、生のままサラダで食べられるカリーノケールになります。
ケールは青汁の原料として使われるので、栄養価が高いイメージを持つ方も多いと思いますが、実際にはどのような栄養成分が入っているでしょうか。
体内においてビタミンAに変換されるβ-カロテン含量は2900µg/100g(※2)で、コマツナ(3000µg/100g)と同等の値です。その他にも、同じカロテノイド類であるルテインやβ-クリプトキサンチン、ビタミンC、葉酸も含みます(※1)。マグネシウムやカルシウムなどミネラル類も多く含み、特に、カルシウムは220㎎/100gで、ホウレンソウ(49㎎/100g)の約4倍にもなります(※2)。
上記でも述べた通り、ケールの品種や仲間は様々です。そこで今回のデータ比較は、ケールの品種ごとでカリーノケールとコラードケール、紫ケールの3種類と、ケールの仲間であるカーボロネロの合わせた計4種類で比較してみました。
ビタミンC含量は、カーボロネロ、紫ケール、カリーノケール、コラードケールの順に高い値とりました。カーボロネロにおいては、カリーノケールの約4割も高い数値となりました。
抗酸化力(植物ストレス耐性力)については、紫ケール、カリーノケール、カーボロネロ、コラードケールの順に高い値となりました。紫ケールに含まれる紫の色素は、アントシアニンという抗酸化成分になりますので、この色素の影響により紫ケールはカリーノケールよりもやや高い傾向になったと考えられます。
ご紹介した以外にも、味わい深い多くのケールの品種が近年では出まわってきています。サラダの生食でも良し、スープなど加熱して食べるのも良しなので、ぜひ積極的にケールを食べて頂き、冬場の体調を整えていきましょう。
RAKUSAIでは、これからも青果ボックスに入いっている野菜や果物の情報を、データと共にご紹介していきます。
参照
※1 技術と普及 農産物の機能性 第47回 ケール(2019年4月号)
※2 日本食品標準成分表(八訂)