秋の味覚【りんご】

こんにちは!
秋も深まり、日に日に冬が近づいてきていますね。
今年の冬はラニーニャ現象で寒くなる事が予想されていますが、今回はそんな寒さに赤く赤く色付いていくリンゴをご紹介します!

リンゴは落葉する樹になる果実ですが、実はバラ科に属する植物なんです。
苗木を植えてから実がなり始めるまでには、なんと約4~5年もかかります。
でもその後、育て方次第では数十年間も実をつけ続ける寿命の長い作物です。

リンゴ栽培の歴史は世界的に非常に古く、原産地である中国・天山山脈、コーカサス地方から世界に広がっていきました。
日本には平安時代の中頃には既に、“リンゴ”の名が記録されていましたが、それは中国から渡来した「和リンゴ」と呼ばれる粒の小さな野生種でした。
今日のようなリンゴがつくられ始めたのは、明治初期になってからなんです。

現在、全国では2000種ものリンゴが栽培されていると言われています。
すごい種類の数ですね!
その中で、青森県で誕生した日本で最も一般的に栽培されている「ふじ」は国外にも盛んに輸出され、海外でも日本同様に「Fuji」の名前で親しまれています。
2001年に実施された学者よる調査によると、なんと「ふじ」が世界的に最も多く栽培されている品種だったんです!
世界の「ふじ」ですね!!

リンゴの栄養価について、少し見ていきましょう。
リンゴにはクエン酸やリンゴ酸などの有機酸、カリウムなどのミネラル類、水溶性食物繊維であるペクチンなどが豊富に含まれています
また、強い抗酸化力(植物ストレス耐性力)を持つプロシアニジンやエピカテキン、クロロゲン酸、ケルセチンなど様々な種類のポリフェノールも含まれています。

リンゴの果皮は赤色というイメージが強いですが、実は果皮の色合いは色素のバランスで変化するんです。
未熟なリンゴは緑色ですが、これにはクロロフィルが関係しています。
その後リンゴが赤く色付いていくのに重要な色素はアントシアニンです。
高原など寒い地域における寒さストレス等の条件で赤みがさすこともありますし、これからの寒い季節にリンゴは益々赤く色づいていきます。

各果皮別品種の抗酸化力(植物ストレス耐性力)を比較してみると、果肉までアントシアニンの含量が多い品種が高い数値となりました!(グラフをご覧ください)


太古の昔から世界中で愛されてきた果実リンゴ。
その味わい深さや・歴史の深さを今年の秋には是非、色々な品種で再実感してみてください!

青果日和では、野菜や果物が持つ栄養素や産地・歴史の情報をも併せて発信していきます。