いよいよ寒さが厳しくなってきましたね。
健康の為に野菜を食べる方は多いと思いますが、その野菜の食べ方も大事です。
最近ではサラダを食べる事が多くなっていますが、冬は身体を温める根菜がお勧めです。
今回は、そんな根菜の1種である伝統野菜【サトイモ】をご紹介します!
サトイモは、マレー半島付近の東南アジアを原産地とするサトイモ科サトイモ属の作物。
日本には稲作の始まる前の縄文時代には既に伝わっていたとか。
歴史の古い野菜ですね。
山に自生する自然薯(じねんじょ)に対し、里で栽培されることから「サトイモ」ので親しまれています。
サトイモは、土の下で肥大した“塊茎”が食用とされます。
塊茎とは、土の下の茎がほぼ伸びることなく、楕円形から卵形に肥大したもの。
株の中心に親イモ(種イモ)ができ、その周りに小さな子イモが増えていきます。
さらに孫イモ、ひ孫イモと1つの親イモからたくさんのイモができるんです!
サトイモは大きく下記の3種類に分類することができます。
【子イモ・孫イモを食用にする子イモ用品種】
一般に多く出回っているサトイモは、この子イモ用品種。
土垂(どだれ)、石川早生(いしかわわせ)、えぐいも等があり、小さく楕円形で肉質はやわらかくねっとりとした食感があります。
【親イモそのものを食用とする親イモ用品種】
これに含まれるのは京イモです。
京イモは半分以上が地上に出ており、姿がたけのこに似ていることから別名タケノコイモとも呼ばれています。
ぬめりが少なく煮崩れしにくい特徴があります。
【子イモと親イモのどちらも食用とする親子兼用品種】
これには赤芽、唐いも(とうのいも)、八ツ頭、セレベス、京野菜で知られるエビイモ等があります。
いずれも、その形や色などの見た目から名前が付けられています。
セレベスはインドネシアのセレベス島から伝来したもので、芽が赤く、ホクホクしていて薄味の含め煮に向く品種です。
サトイモの栄養に目を向けてみましょう!
イモ類の中でも水分が多く、サツマイモ(132kcal/100g)と比べるとカロリーは低め(58kcal/100g)です。
栄養素として多く含まれるのは、食物繊維。
サトイモ独特のぬめりでもあるガラクタンやマンナン等の食物繊維は、最近注目されている腸内環境を整えるのにも役立つ為、積極的に摂取したい栄養素ですね!
またナトリウムを排出して血圧の上昇を抑えるとされるカリウムも豊富(640mg/100g)です。
その含有量はなんと緑黄色野菜の小松菜(500mg/100g)よりも多いんです!
種類別に抗酸化力※を比較してみました!
抗酸化物質は植物が外敵から身を守る為に蓄えるものなので、栽培期間の長い親イモ用品種で高い結果となりました(グラフをご覧ください)。
最近は消費量が減少気味ですが、サトイモは保存性にも優れた日本の伝統野菜の1つ。
長い歴史の中で日本の食文化を支えてきたサトイモを、来年のお正月には例年より多めに是非お召し上がりください!
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※植物ストレス耐性力