三寒四温を過ぎ、春の訪れを実感できるようになりました。
植物達の春の息吹を感じると共に、その自然の恵みを頂きながら、私達も寒さで縮こまった身体をほぐしていきたいですね。
今回はこれから正に旬の時期に入るスナップエンドウのご紹介です!
スナップエンドウは、春から初夏にかけて収穫されるマメ科えんどう属の野菜エンドウの一種。
エンドウは、若い鞘を食べる「さやえんどう」と、未熟な豆を利用する「実えんどう」に大別できます。
「さやえんどう」の代表は絹さや。
これは品種名ではなく、鞘の長さが5~6cmのうちに若採りする「さやえんどう」の総称なんです。
「実えんどう」の代表であるグリーンピースも、鞘の中の豆だけを食用にする品種の総称。
ウスイエンドウ等が代表格ですね。
スナップエンドウは、大きくなり始めた実と鞘を食べる品種。
「さやえんどう」のシャキシャキとした食感と「実えんどう」の豆の甘味を合わせ持った美味しさが人気を呼んでいます。
豆が熟しても皮が硬くならず甘味強いのが特徴です!
日本へは、遣唐によって奈良時代に渡来しましたが、野菜として一般に普及したのは明治時代になってからです。
スナップエンドウはアメリカで開発され、日本に出回るようになったのは1970年代以降の比較的新しい品種です。
スナップエンドウの栄養価を見てみましょう!
βカロテン含量は、400μg/100gと緑黄色野菜の定義(βカロテン含量が600μg/100g以上)よりやや少ないものの、ビタミンCやビタミンEも含むので相乗的な抗酸化作用が期待できます。
一度に沢山食べる事ができるのが魅力で、ミネラル類も豊富です。
エンドウ類は、不飽和脂肪酸であるα-リノレン酸やオレイン酸を含み、コレステロールを調整し血栓を予防する効果も報告されています。※
スナップエンドウは、収穫後に莢の品温が高いと品質が著しく低下するので、速やかに予冷する必要があります。
では、どれくらい品質が下がってしまうか? モチロン調べてみました!
収穫後の日数とビタミンCの含量、Brix(糖度)の変化を調べてみると、ビタミンCは収穫後1週間程度経過してもほとんど減少していない結果となりました(グラフをご覧ください)!!
また甘さの指標ともなるBrix(糖度)に関しても、ほぼ一定に保たれており(こちらグラフ化しました)、その甘味も長く継続する事が分かりました!
データから、スナップエンドウは少なくとも1週間は、美味しく食べる事ができそうです!
これから旬を迎えるスナップエンドウ。
今の時期にしか味わえない美味しさです。
たくさん買い置きして毎日少しずつお楽しみください!
青果日和では、測定データから美味しい野菜や果物、そしてその食べ頃をご提案していきます。
※Amino acid composition and antioxidant properties of pea seed ( Pisum sativum L.) enzymatic protein hydrolysate fractions. J Agric Food Chem.:4712-8. (2010).