春の味わいを美味しく賢く楽しむ 【セロリ】

こんにちは!
新緑が芽吹き、カラフルな花が咲き乱れ、春の訪れを植物も動物も喜んでいるように感じます。今回は春が旬の野菜、セロリについてご紹介します。

セリ科オランダミツバ属のセロリ。
その原産地はヨーロッパや中近東の冷涼高地の湿原で、日本でも各地で年間を通して栽培されています。
セロリの特徴は何といっても独特の強い香り。加熱をしてもその香りは薄れない為、調理用途の幅は広く、サラダだけでなくスープや煮込み料理にも使用されます。

野生品種に最も近いものは東洋在来品種の芹菜で、その他に黄色品種、緑色品種、中間品種という種類もあります。
最も多く出回っているのは、中間種のコーネルという品種。厚みのある薄緑色の茎が特徴です。
緑色品種は一般的にはグリーンセロリと呼ばれ、肉厚でスジが少なく、強い香りが特徴を持ちます。
黄色(白色)品種は、三つ葉のように茎が白く細いことが特徴で、ホワイトセロリと呼ばれています。
スジが少ないため柔らかく、セロリ特有の香りが比較的弱いため食べやすい品種です。

また、セロリの変種とされている肥大した根茎を食用とするセロリアックもあります。日本ではあまり一般的には見かけませんが、ヨーロッパでは古くから親しまれてきた身近な野菜の一つです。
皮を剥くとカブのように中心まで白い果肉が詰まっています。生でも食べることができ、味はセロリと似ていますが、香りは優しくセロリより繊細な味わいです。



セロリ独特の香りは、アピイン、セダノライド、β‐セリネンという香味成分によるもので、古代ローマやギリシャにおいては食用にせず整腸剤、強壮剤、香料として利用されていました。さらにセロリは、抗感染作用や抗炎症作用等の働きがあるリモネンや、野菜特有の青臭さの元といわれる、ピラジンも含みます。セロリは「ブーケガルニ(香味野菜の束)」の1つで、料理の肉の臭み消しや風味付けとしても活躍しますね。葉に近い部分はより香りが強いので、部位によって使い分けるといいですね。

部位により香りの強さは違いますが、抗酸化力〈※1〉はどのように異なるのでしょうか?
葉と茎を部位別に測定してみると、葉の抗酸化力〈※1〉が圧倒的に高い結果となりました(グラフをご覧ください)! 茎を中心に食べるイメージの強いセロリですが、抗酸化力〈※1〉の視点からは、葉も一緒に食べることをお勧めします。

1年中出回るセロリですが、その旬を抗酸化力で調べてみましょう!
セロリ全体の抗酸化力を毎月測定し、季節で分けると、春に最もその数値が高くなりました(図2)。



やっぱり旬の時期は数値が高くなるんですね。旬てすごい!!
普段の食卓にはあまり馴染みがなくとも、今年の春は、セロリの香りを是非食卓へ!
青果日和では、実際に測定したデータから野菜や果物の旬や食べ頃の情報を発信していきたいと思います。
※植物ストレス耐性力