デンプン、ビタミンC、食物繊維、アントシアニン… 穀類と野菜の顔を持つ【ジャガイモ】

天高く馬肥ゆる秋。高い上空に浮かぶ巻雲や巻積雲を見上げると爽やかな気持ちになり、ついそんな言葉をつぶやいてしまいます。秋がやってきましたね。
今回は、そんな秋の味覚のジャガイモについてご紹介します。

南米のアンデス高地を原産とするナス科ナス属のジャガイモ。

その栽培の歴史は古く、インカ帝国の食糧基盤であったとの説もあります。
日本へは16世紀ごろオランダ船によって、インドネシアのジャガトラ(現在のジャカルタ)を経由して渡来した事から、「ジャガタライモ」→「ジャガイモ」と呼ばれるようになったそう。。。

ジャガイモといえば、主な栄養素はデンプン質。理科の実験で出て来ましたよね!
味に癖がないので主食として用いられることも多い穀類の顔を持つ一方、カリウムやビタミンB1にも富み、食物繊維も含有している栄養素の面では、野菜の顔も持っているんです。

そして注目したい栄養素がビタミンC。
特にジャガイモのビタミンCはデンプンに包まれているため、加熱しても壊れにくいことが特徴です。
茹でる場合はやや水中に流出してしまいますが、皮を剥かずに茹でる事で流出を防ぐ事ができますよ!またレンジによる加熱では、測定してみるとビタミンCをしっかりと保持していました!

次に品種を見てみましょう。
まずは一般的な品種をピックアップします。

【男爵】
ジャガイモの代表品種で、ゴツゴツとした丸みのある形です。
特にデンプン質が多いため、加熱するとホクホクとした食感になります。

【メークイン】
イギリス生まれの品種です。男爵よりもずっと遅い大正時代に日本に導入されました。
男爵よりもねっとりしていて、くぼみの少ない長卵形で皮がむきやすく煮崩れしにくいのが特徴です。

【北あかり】
男爵を母親として、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性を付与させた品種になります。カロテンやビタミンCの含有量が多く、果肉の黄色が強めなのが特徴です。

次に、ジャガイモと言えば北海道が主産地ですが、暖かい地域での栽培に向いている品種も少しご紹介します。

【デジマ】
長崎で育成されたことから名付けられました。
肉質は粉質と粘質の中間程度ですが、煮崩れはやや少なく、また新じゃがとして出回ることが多いので皮が柔らかく、皮ごと調理することも可能です。

【トヨシロ】
加工用として栽培されている品種の代表格。
目が浅く形がきれいで、油加工において重要とされる還元糖の含有率が低いため、ポテトチップスやフライドポテトの原料に適しています。

【シンシア】
フランスで育成された楕円形の品種です。つるりとしていて皮がむきやすく、煮崩れしにくい粘質系で果肉は淡い黄色をしています。

最後に、ジャガイモの皮は通常薄い黄色が主流ですが、皮の赤い品種もあるのでご紹介しちゃいます!

【レッドアンデス】や【ネオデリシャス】
皮は赤色ですが果肉は濃い黄色。
甘味がありクリーミーな舌触りです。煮崩れしやすいという特徴があります。

【レッドムーン】
皮は赤色ですが果肉は濃い黄色で、煮崩れしにくいので煮物に最適です。

【ノーザンルビー】
皮が赤紫色で果肉もピンク色。
肉質はやや粘質で煮物向き。加熱しても色が抜けないので食卓に彩りを添えてくれます。

品種別にこれらの抗酸化力※1を比較してみると、やはりアントシアニンを含む紫色の品種が強い!
(グラフにしてみました)。

今年の秋は、ジャガイモの美味しさと共に、その色の持つ力を是非食卓へ!

青果日和では、これからも青果ボックスに入っているお野菜・果物について実際に測定したデータをご紹介しながら、その野菜の魅力をお伝えして参ります。
※1 植物ストレス耐性力