私たちが「キノコ」と呼んでいるものは、野菜などの植物で言うなら「実」や「花」にあたる部分です。
植物の種子にあたるのが、「胞子」です。
キノコは、胞子を作り、それらを飛ばして子孫を残していきます。
では、キノコ自体は何からできているのでしょうか?
答えは「菌糸」です。
キノコの本体は、微生物の真菌類がつくる糸状の菌糸が集まって塊になったものなんです。
キノコが食べられたとされる世界で最も古い痕跡は、なんと1万3000年も前!
チリの遺跡から発見されました。
また、中国や古代ローマにもキノコを食べていた記録があります。
わが国日本では、紀元前2000年の縄文時代中期にはキノコが食べられていたという記録があります。随分古くから人類と関わりの深い食べ物ですね。
キノコ類は、育ち方によって下記の2種類に大別することができます。
【腐生性のキノコ】
樹木の倒木や落ち葉などを栄養源とするキノコです。
シイタケ、ナメコ、エノキタケ、ブナシメジなどがあります。
【菌根性のキノコ】
生きた樹木の根と共生関係を保ちながら生育するキノコです。
マツタケ、ホンシメジなどがこれに当たります。
現在、日本では20種類程度のキノコが人工栽培されていますが、その全てが腐生性のキノコ。
菌根性のキノコの栽培技術は日々開発・改良が図られているところですが、まだまだ難しいのが現状。お値段が高いのも頷けますね。
キノコと言えば、低カロリーでヘルシーな食材である印象が強い食材です。
野菜の水分は通常約95%くらいなのに対し、キノコの水分含量は90%と野菜より低く、その代りに多いのが炭水化物です。
炭水化物が多いのに、カロリーが低い理由は、その炭水化物のほとんどが食物繊維だから。
キノコに多い不溶性の食物繊維は、便を軟らかくして量を増やし、大腸の壁を刺激することで活動を活発にします。それにより腸内環境が改善されたり便秘が解消されたりするのです。
また、食物繊維を多く含むものを食べると、噛む回数が増えるので、あごを丈夫にするなどのメリットも。一石二鳥の食材ですね!
キノコは栄養素以外でも様々な機能性成分を含んでいる事が知られています。
最も有名なのは、β-グルカンですね。
β-グルカンは、私達が良く口にするシイタケやマイタケ、エノキタケにも含まれていますので、日頃からこれらのキノコをたくさん食べることが重要です。
それぞれのキノコが持つ抗酸化力※を測定してみました!
またこれらキノコの抗酸化力※は天日に当てることによって増加することも確認できているので、日が当たる窓際に30分程度、キノコを広げてみるのもいいかもしれませんね。
前述したようにキノコは菌類で、菌床が地上に咲かせた花のようなもの。
それを私達はキノコと呼び、その深い味わいや香りを楽しんでいます。
今年も秋の足音と共に、地上にひょっこりと顔を出しているキノコを目で楽しみ、そして舌でも十分にお楽しみください!
青果日和では、青果ボックスに入っているお野菜や果物について、その特徴や味、栄養素、旬などの情報をご案内していきます。
※植物ストレス耐性力