「春菊!」と答える方は少ないかもしれませんね。
香味野菜は好き嫌いが分かれメジャーではないかもしれませんが、今回は冬に旬を迎える春菊のご紹介です。
春菊は、キク科キク属のお野菜です。
「春に花を開き、菊に似るが故」と、江戸時代の事典にもその名の由来が記され、「菊菜」と呼ばれる事もあります。
キク科の植物は世界中でどこでも生育が可能で、最も進化し分化している植物だと言われています。
お馴染みの野菜では、「レタス」や「サラダナ」、焼肉に欠かせない「サンチュ」等がキク科として挙げられます。
また、日本人が古くから食してきた、「ごぼう」や「フキ」もキク科野菜なんです。
春菊の原産地は、ヨーロッパ南部の地中海沿岸地方。
日本へは中国を経由して、江戸時代の初めに渡来しました。
地域による品種の特徴が大きく、関西では葉が広く、切れ込みが浅いタイプが主流。
苦味や香りは比較的弱いので、食べやすい品種です。
生育しても茎が立たず、株を根から切り取って出荷します。
一方、関東で多いのは、株が上に向かって伸びるタイプ。
苦みや香りが強めで葉に厚みがあり、ふちの切れ込みが深い特徴があります。
こちらは茎が立ち、分枝したものを順につみとって出荷します。
ここからは、春菊の栄養について見ていきましょう!
実は春菊は、βカロテンを豊富に含む緑黄色野菜です。
その含量はなんとほうれん草よりも多いんです!
カロテンは体内でビタミンAに変化し、目の粘膜を保護します。
またビタミンB1、B2、B6等のビタミンB群やビタミンCも豊富に含まれています。
その含量は、季節で変化するのでしょうか?
そんな疑問を解消するため、毎月毎月、ビタミンC含量を測定し続けてみました!
その結果、旬の時期と言われる11月からその含量は増加し、なんと12月には通常の約2倍(39.2mg)にまで上がることが分かりました!!
(グラフをご覧ください)。
『旬』って、やっぱり栄養豊富。
すごいですね!
また、春菊にはミネラルも豊富です。
カルシウム含量は、ほうれん草の2倍以上(120mg)、その他カリウムや鉄も多く含んでいます。
春菊は茹でて食べる事が多い野菜なので量も多く摂取でき、冬場の栄養補給に最適な野菜ですね!
これからの季節は、お鍋に大活躍の春菊ですが、最近では苦味や香りが弱めでサラダにしても食べやすい大葉春菊等もよく目にするようになりました。
より身近な野菜になってきた春菊。
日頃野菜不足を感じている方は、この冬には、ビタミン、ミネラル、食物繊維、βカロテン豊富な春菊の存在をお忘れなく!
青果日和では、青果ボックスに入っているお野菜や果物について、旬の情報などを実際に測定したデータを活用しながらご紹介していきます。