低カロリーでヘルシーな食材、魅力たっぷりな【キノコ】

皆さんこんにちは!
近頃は一気に気温が下がり、すっかり秋らしくなってきましたね!
今回は、もうすぐやってくる「食欲の秋」に先駆けて、低カロリーなのに魅力いっぱい!『キノコ』をご紹介します。

キノコが食べられたとされる世界で最も古い痕跡は、なんと1万3000年前で、チリの遺跡から発見されたそうです。中国や古代ローマにもきのこが食べられていた記録があり、日本では紀元前2000年の縄文時代中期には摂取されていたそうです。

きのこは人工栽培への取り組みも意外と早く、17世紀にフランスでマッシュルームの人工栽培が始まり、19世紀初めごろからは、ドイツ、イギリス、アメリカにも広がりました。日本では江戸時代のシイタケ栽培が最初となります(※1)。

現在、日本は中国に次ぐ世界第二位のキノコ生産国と言われており、1942年には群馬県桐生市でくさび状の小さな木片に菌糸を伸張させた「種駒」を丸太に打ち込む「種駒法」を発明したことで、シイタケ栽培が飛躍的に普及しました。

その後、おが粉や小麦ふすまなどをつかった菌床栽培技術が開発され、シイタケの他、ナメコ、エノキタケ、ヒラタケ、ブナシメジ、マイタケなど様々なキノコの栽培方法が次々と確立されました(※2)。

キノコ類の生産量の変化をみてみると、1960年には年間およそ4万トンでしたが、2010年までの50年間で47万トンまで拡大し、それからは2022年の生産量で46万トンと横ばい傾向にあります(※3)。

きのこ類の年間世帯購入数量の推移をみると、シイタケ以外のきのこ類が普及していく様子がわかります(※4)。


平成12年から平成30年にかけて、乾シイタケや生シイタケ以外のキノコ類は約2000gも増えていることがわかります。また、生シイタケは横ばい傾向ですが、乾シイタケに関しては半分以上の購入数量が減少していることがわかりました。

過去の青果ラボ(23年6月)にご紹介した「しいたけ」において、「生シイタケを短時間でも干すとビタミンD含量が増え、抗酸化力(植物ストレス耐性力)もアップする」ということをご紹介しました!(青果ラボ:しいたけ

でも現状は上記のグラフのように食生活の変化や他のキノコ類の普及などによる影響で、シイタケ以外を食べるようになってきています。 そこで、今回はキノコ別にキノコに多く含まれる栄養素を比較してみました!(※5)


キノコ類は全体的にカロリーが非常に低く、一方、食物繊維が豊富な農産物で、レタスが100gあたり1.1g(※5)に対して、シイタケは4.6gと約4倍多く含まれています。

またキノコそれぞれでも成分の特徴があるので紹介していきましょう!

ビタミンDについては、マイタケが4.9µgとダントツで高い値となりました。
前述した青果ラボでご紹介した通り、天日乾燥したシイタケにもビタミンDは多く含まれていますが、実はマイタケは生の状態でも、天日乾燥したシイタケに負けないくらいビタミンDが多く含まれています!普段使いしやすいので、キノコ類の中でも積極的に食べたい食材ですね。

その他だと、ナトリウムを排出して血圧を正常に保つカリウム(※7)については、エノキタケ、ブナシメジ、エリンギ、ヒラタケなど普段の食卓によく使われるキノコ類に多く含まれています。

また、皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きを持つビタミンB1・B2、赤血球の形成を助ける葉酸(※6)に関してはヒラタケが多く含まれています。

このように、キノコによって栄養成分の含有量に特徴があることがわかりました!
色々なキノコを食べることによって、栄養成分をバランスよく摂取することを心がけていきたいですね!これからが季節の代わり始めとなるので、キノコ類をたくさん食べてしっかりと体調を整えていきましょう!

青果日和では、これからも青果ボックスにはいっている野菜や果物の情報を、データと共にご紹介していきます。

参照
※1 技術と普及 農産物の機能性 第18回 キノコ
※2 林野庁 きのこの生産と消費について
※3 農林水産省「特用林産基礎資料」
※4 「きのこ類の年間世帯購入数量の推移」総務省「家計調査」(2人以上の世帯)
※5 日本食品標準成分表2020年版(八訂)参照
※6 消費者庁「知っていますか? 栄養機能食品」